皆様、ご無沙汰しております、よりこです。
数々のお祝いのお言葉、本当に本当に有難うございました。徐々にお返しさせて下さい。
産後1ヵ月経った息子は、体重が5キロ、身長が57センチとすくすく成長しております。
さて、初めての出産を通じてわかった事は、自分がいかに弱いかという事でした。謙遜ではなく、本当にそうでした。黙って生んでいらっしゃる世のお母様方、偉いです。私は、弱いなあ。
ブログを出産・育児日記にするつもりは全くありませんが、自分の小ささを残す足跡として、出産記録を綴ります。
「しょぼしょぼ出産記」
8/5(土)
出産予定日を1週間過ぎた。助産婦さんが訪問してくれ、明日までに産気付かなければ月曜日に病院に行くことになった。せっかくここまで順調に来たのだから、自宅で産みたいが…。助産婦さんも陣痛を誘発する処置やオイルマッサージ、お灸を一生懸命してくれた。Tまちゃんからキノコを食べると良いらしいと聞き、早速キノコ尽くしの料理を作る(←パートナーはとても苦手)。外に出る気にもならず、何故か台所を掃除しまくる。
夜中2時くらいまで、パートナーと言い合いになってしまう。寝不足。
8/6(日)
朝4時。おしるしが来た。「やった!」と思わず叫ぶ。陣痛には程遠いかる~い痛みが30分ごとにくる。産まれるの、今日だろうか。
朝11時。きゅ~っとした痛みが5分ごとになった。石田さんは会場予約で外出。助産婦さんに電話する。今のうちにと、シャワーを浴びる。助産婦さんがやって来てくれた。
段々痛くなって来た。石田さん、レッスンに出かける。
午後1時過ぎ。声を出さずにはいられなくなってきた。助産婦さんも、「あ、やっと声が出てきたね」と言う。ここで石田さんはレッスンから呼び戻される。
「この様子だと夕方過ぎくらいかしら、産まれるの」と助産婦さん。でも、い、痛い。とにかく、痛い。熊のように歩きまわったり、助産婦さんに抱きついたり、ちょっとこの様子は他に人には見せられない。獣の様でした。
「痛いーー!!」と叫ぶのにも飽きて、途中で歌った。もちろん、メロディなんてボロボロだけど、きっと現実逃避したのに違いない。
「1回陣痛の波が引くときがあるでしょう」と言われたが、一向にその様子はない。ぐいぐい強くなってくる。
何度か、石田さんに「ごめん、産んであげられないかもしれない」「がんばったから、もう、いいよね(←何がかは不明)」とか、助産婦さんに「もう駄目」「5分でいいから休ませて」とか、弱音を吐きまくる。皆にこやかに聞いてくれるが、誰も本気で取り合ってはくれない。
夕方ごろ
痛みの種類が変わってきた。篭る感じの痛み。この時点で既に夕方。何度が助産婦さんに「あとどのくらい?」と聞いたが、にっこり笑って「大変順調ですよ」としか答えてくれない。
一体このレース、何時になったら終わるのだろうか。「必ず終わりはありますから」と助産婦さん。でも、一体、いつ???ああ、ちょっとでいいから休みたい…先が見えない…。
お風呂に入ったり楽な姿勢をとったりと工夫をするが、痛いものは痛いし、いきみたくなる痛みが続く。
で、いきむのが早すぎて、子宮口がむくんでしまった。この時点でまだ7,8センチ。「陣痛を逃がして下さい」と言われるが、逃がすのもとても疲れる。
おまけに、自分がへたってしまい、力が出なくなってきた。陣痛も弱まってきてしまった。「固形物を食べないと、力が出ない」とお握りを勧められるが、とてもじゃないけど食べられない。水分を取るのがやっと。でも、このまま陣痛が弱まれば母子ともに宜しくない状態になってしまう。後戻りは出来ない、と、必死の形相でお握りを頬張る。無理やりお茶で流し込む。
子宮口全開。…だが、それでも赤ちゃんの頭の方が大きいらしい。もうちょっと開くのを待たなければならない。もーどーにでもして。
陣痛に悶えていると、助産婦さんから「キレイですね」と言われる。意識が半分飛んでいたので良く覚えていないが、陣痛中のお母さんはなんチャラという分泌物によりキレイらしい。本当か?石田さんが写真を撮ってくれるが、正直陣痛中は勘弁して~と思った。
ようやく息んでよしとの事。赤ちゃんはずーっと元気で、ずっともごもご動いている。破水しなかったので、赤ちゃんには良いが、お母さんは大変。私の脈拍数も少し上がってきたので、助産婦さんの判断により、人工破水させる。
一気に産むぞ!ムードとなる。石田さんを人間椅子にして、赤ちゃんと調子を合わせながら息む!息む!…あれ?石田さんも後ろで息んでいる。う~ん、何故?
息むと頭に血が上って、違う世界に言ってしまう気がした。一瞬、自分はこのまま死んでしまうのかもしれないと、脈絡もなく思った。この子を産んであげられるのは自分しかいない。自分と引き換えにこの子が産まれるのなら、それでも良いと思った。何だろう、そこまで危険な状態でも、死を覚悟したわけでもなかったのに、そんな事を思ったのだ。
破水から20分。ようやく赤ちゃんが出てきてくれた。喜び…より、やっと終わった…だ…。
赤ちゃんを胸に抱く。しわくちゃでサルのような赤ちゃんを想像していたけど、大きい、手足ながい、さすが予定日を過ぎた子だ。がんばって初乳を吸ってくれた。偉い、偉い。
出産直後、世の全てのお母さんを尊敬しました。個人的主観的意見を述べさせてもらえるなら、その事そのものに特化するなら「人生で一番辛い日」でした。痛みそのものより、ゴールが見えない、時間との戦いが辛かったです。あと、誰にも代わってもらえない、後戻り出来ない、休めないという状況でしょうか。でも、卑弥呼の時代から変わらない痛みです。母は強い筈ですね。
現在親子3人の生活が始まって早1ヵ月。どんどん時は過ぎていくのでしょう。自分の息子に、他の子供達に、皆に、伝えたい事が沢山あります。
前に進むのが、段々楽しくなってきました。